仕事柄、病院で亡くなる患者さんをたくさんお看取りさせていただきます。
ちょっと重い題材で大丈夫なのか不安ですが
病院で家族が余命を宣告されたり、状態が急に悪くなって死期が近いことが分かった時に、ご家族としてどんな準備が必要なのか意外とわからない事が多いと思うのでまとめてみたいと思います。
あくまでも看護師目線、私の主観も入っているので流れ程度わかっていただけたら少しはお役に立てるのではないかと思います。
1.死期がわかったら早めに準備
まず、死期がわかったらということについてですが、その状況も様々あると思います。
様々な病気の進行により、回復が見込めない場合や急に倒れてしまい身体的に危険な状況で病院に運ばれる場合などあると思います。
入院して血液検査のデータやCT検査の画像により全身の状態を把握し適切な治療を開始することとなります。
治療しても回復が難しかったり、急に状態が悪化することも稀ではありません。
そうなった場合大体は医師からお話があります。
治療が効いていないことや、状態が悪くなっているので延命処置はどうするのか?余命はどれくらいだと予想されますというお話はどこの病院でもあると思います。
そういうお話があったら本当にそろそろ覚悟をした方がいいなという状態ですので、家族でどうするのかを相談した方がいいでしょう。
しかし人の命は全く予測出来ないものなので、もしかしたら翌日に亡くなってしまうかもしれないし1か月後まで生きられるかもしれないですし性格にはわからないのが実際です。
延命処置とは・・・
呼吸が止まってしまったときに人工呼吸器がつながり呼吸を補助したり、血圧が下がった時に血圧を上げる注射を使ったり、心臓が止まった時には心臓マッサージをすることです。
がんなどで状態が悪くなった時には延命処置を行ってもがんが治るわけではないので、大体の場合延命処置はしない方向でいいでしょうか?という感じで医者から話があると思います。
そういう話がされた時点でご家族には亡くなったあとどうするのかというのを少しづつでもいいので準備してもらったほうがいいと思います。
1番してほしいことは葬儀屋さんの選定です。
どうしても葬儀にはお金がかかることなので、いろいろな情報を集め、自宅から近いとか、宗教はどことか関係あると思うのでとても大事なことです。
2.臨終後の流れ
上からの続きになりますが亡くなった後の流れについてです。
心臓や呼吸が止まってしまって、医師によりご臨終と言われてからも悲しんでばかりいられません。
ご臨終後、ご家族がそろうのを待ったり、ある程度の時間は病室で過ごすことはできますが、ご臨終後は看護師がご遺体の体を綺麗に拭いたりして整えさせていただきます。
これをエンゼルケアといいます。
だいたいエンゼルケアは20分程度で終わると思いますがその間に葬儀屋さんへの連絡を依頼されると思います。
葬儀屋さんを決めておいてほしいのはこのためですね。
エンゼルケアが終わるとそのまま霊安室へ案内という形になります。
ここまでで亡くなってから概ね1時間はかからないと思います。
看護師が忘れないと思いますが「死亡診断書」を受け取るのを忘れないでください。
基本的に医師が書いてくれて不備がないか看護師が確認して渡してくれます。死亡届と一緒になっているはずなので、提出して火葬するためには必ず必要な書類です。
届け出も葬儀屋さんがしてくれるはずなので、葬儀屋さんが来たら真っ先に渡しましょう。
3.臨終後の行動
最後に臨終後の行動ですが、上でも触れたように、まずは葬儀屋さんへ連絡が必要になります。
基本的にはご遺体は自家用車で運ぶということは違法ではないですが難しいので、葬儀屋さんに自宅へ運んでもらうか、そのまま葬儀会場へ運んでもらうの2択になります。
葬儀屋さんって夜中でもいいの?って思うと思うのですが基本的に人がいつなくなるかはわからないので、連絡すると24時間対応してくれます。
だいたい最速で霊安室まで来てくれます。
その連絡が終わると急ぐものはないと思いますが、それぞれ親戚に連絡したり、町内会に連絡したり、自分の職場に連絡する必要がありますね。
重い話になりましたが、意外とわからない情報だと思うので書かせていただきました。
病院や、地方によって多少違いはあると思いますが参考にしていただけると幸いです。
状態が悪いですよっていうお話がされたら、いつでも病院に行けるように生活環境を整えたほうがいいでしょう。
後悔のないように、付き添うことも出来ますので、看護師に聞けばそろそろ危ないのか、付き添ったほうが良いのか大まかには感じ取っているはずなので教えてくれると思います。
私個人の考えですが、亡くなるときには出来るだけご家族が看取ることが出来るように、付き添うことを進めます。
中には仲が悪くて見たくないですっていう家族もいらっしゃるので一概には言えませんが、仲の良い家族には配慮できるようにしています。
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