身体拘束は無くせない。必要性、家族の理解難しい。

身体拘束は無くせない。必要性、家族の理解難しい。
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今日は病院や介護施設での身体拘束について考えたいと思います。

この間NHKで身体拘束についての番組がやっていたようです。

夜勤だったので見ていませんが、Twitterで色々と流れていましたね。

身体拘束とは

あまり聞いたことないって方はいないとは思いますが、身体拘束とは何なのか説明します。

身体拘束とは、 徘徊、他人への迷惑行為等のいわゆる問題行動などを防止するために、車いすやベッドに拘束するという、高齢者の行動の自由そのものを奪うものですね。

これは高齢者だけではなく、手術後や検査後に治療に必要な管類を抜かれては困る場合にも身体拘束とひとくくりにされてますが行います。

なので、普段は普通なんだけども、手術後や検査後せん妄といって一時的にわからない状態になってとっても穏やかな人が怒りやすくなったり、わけがわからなくなることもあるのでそういう時にも身体拘束することもあります。

ではそんなものがどうして医療現場であるのかを考えてほしいと思います。

身体拘束の必要性

あくまでも病院で働く看護師目線での記事になりますので、不快になる方もいらっしゃるかもしれません。

一個人の意見で書いています。

正直身体拘束が良いとか悪いとか賛否両論ありますし、しないほうが良いのはもちろんのことですね。

それは重々わかっていながらしなくてはいけない場合が多々あります。

  • 手術や検査後のせん妄
  • 徘徊の可能性
  • 転倒・転落の危険性
  • 認知症や意識障害によって治療に必要な管などを抜いてしまう可能性
  • 暴力行為

私は一般病棟でしたのでそのことを中心に考えて見たいと思います。

手術や検査後のせん妄

こちらは必ず起こるということではないのですが、高齢の患者さんが特にせん妄になる可能性は高いと思います。

誰にも予測できないし、突然わからなくなって変なことを言ってくるっていう場合も多々あります。

例「夜中中くまがカーテンの上からかぼちゃ投げてくるからこんなとこにいられない」

嘘でしょって思うかもしれませんが、昼間まで本当に普通の人が日中に検査を受けて夜寝てからこういったことを言ってくることがありました。

まぁこれくらいなら身体拘束することもないですが、この状態で、他の患者さんへ迷惑をかける可能性があると考えられた場合身体拘束も考慮しなくてはいけません。

徘徊の可能性

認知症の患者さんが治療のために一般病棟に入院することがあります。

そんな時にいつもではなくても「帰る」と怒りだしたり、目の届かないうちに廊下を歩いてしまい病院の外に出てしまうといった可能性が考えられる場合は身体拘束する必要性が出てきます。

こちらもやはり他の病室に入ってしまったり、病棟からいなくなったりと他の患者さんに迷惑をかける場合があります。

転倒や転落の危険性

こちらも認知症の患者さんに多いですが、歩ける状態ではないのに一人で歩こうとして転んでしまったり、ベットから降りたりする可能性がある場合には身体拘束が必要になってしまいます。

治療に必要な管類を抜いてしまう可能性

こちらも元々の要因が様々ありますが、結果として必要な管を抜いてしまう患者さんが度々います。

正直点滴の針を抜くくらいであれば、もう一度入れさせてもらうことで解決できますが、それを理解できずに1日に何度も抜いてしまうのであれば身体拘束が必要になります。

点滴の管はそこまで重大ではないですが、手術や検査後体の中にドレーンという管を入れてくることがあります。

主に排液目的で入れてくるものですが、そういった種類の管は抜かれたからといって看護師が入れられるものではないので、絶対に死守しなくてはいけないものです。そのため抜きそうな可能性があれば身体拘束が必要なんです。

暴力行為

こちらも基本的には普通の患者さんではないことですが「せん妄」や「認知症」の患者さんですぐに怒って看護師を殴ってきたり、蹴ってきたりが普通にしてくるような患者さんには身体拘束が必要です。

ひとくくりに身体拘束と言ってもこれだけの可能性が考えられる場合にすることになります。

患者さんの体を守るのが一番なんですが、ケースによっては医療者側も危険にさらされてしまうため身体拘束を行います。

身体拘束の理解度

身体拘束と聞いて良いイメージはないと思いますが、リスクをしっかりと説明して、必要になりそうな患者さんの家族には同意書を貰います。

この時点で拒否されることもあります。

身体拘束ではもちろん人権は尊重されなくてはいけなくて、決して医療者はどんな患者さんでもしているわけではありません。

一応治療に必要であるため、同意書を貰っての身体拘束になります。

上にあげたように様々な要因の可能性を考えての身体拘束の必要性の説明を行いますが中々理解もらえないことがあります。

もちろん家族が縛られるって考えたときに良い気持ちはしないでしょう。

でも病院に何しに入院しているのかっていうところ青考えないご家族が多いです。

治療に必要な管を抜かれないようにっていう面で身体拘束をすることは多いと思います。

でもそれすらも同意しないということは、管が抜かれてしまった場合どうなるかって考えていますか?

転んで骨が折れたらって考えていますでしょうか?

同意しないで必要な治療が行えないのであれば病院にいる意味って実際ないと思っています。

認知症で看護師が目の届かない時に歩き始めて転んで骨折した場合の責任は誰が取るんでしょうか?

ではご家族が24時間付き添って患者さんを見ていることは出来るんですか?出来ないですよね。

そんなことも考えないで縛るのは絶対にダメだという考えであるのなら病院に来ないでもらいたいです。こんなこと言ったら怒られるかもしれませんが、病院は治療を行うところです。

正直同意しないご家族に限って骨折したとかいったら病院の責任を問うように思います。

看護師ってすべての患者さんを常に見ているわけじゃないんですよね。

夜勤だって不可能ですよ、3人の看護師で50人近くの患者さんを常になんか見れません。

事故の責任はどこに

上でもちょっと触れたように、身体拘束をしなかった場合とした場合のリスクは大幅に違うと私は考えてます。

正直、身体拘束が必要な状態なのに出来ない場合、ずっと見ていることも出来ないので何か事故が起こるか起こらないかは運しだいになってしまいます。

もちろん何も無いかもしれませんが、ある可能性が高いので身体拘束の説明をしています。

転んだり治療が上手くいかなくても責任を問わないというのであれば、まぁ仕方ないかって思いますが看護師の負担は激増します。

仕方ないと思っても、仕事ですから事故が起きないように最大限注意を払いますので。

その他、暴力行為をする患者さんの場合は、患者さんを守るというよりも医療者を守るために身体拘束をしなくてはいけないこともあります。

そんな暴力行為をしてくる患者さんは結構います。

認知症とかで暴力を振るってくる患者さんが多いですがでは暴力行為を振るわれて看護師がケガをした場合は誰が責任を取るんですか?

医療者は暴力行為を振るわれても黙っていることがほとんどです。

これはどうしてなんでしょうねぇ。

事故が起きて家族は医療者に責任を取らせるのに、患者さんが医療者にケガを負わせても責任はとらない。

そんな医療業界はやっぱり闇ばかりですね。

病気だから暴力を振るってもいいって理由にはならないと思うんですが、誰もその声を上げないのがわかりません。

看護師は蹴られたり、殴られたり、唾を吐きかけられたり、爪をたてられたり日常茶飯事です。

そんな患者さんがどうして病院にいるのかがわかりません。

身体拘束は無くせる?

医療業界には身体拘束を無くしたい派と無くせない派がいます。

長年働いていてどうして無くせると思うのかが全く分かりませんが、私は申し訳ないですが無くせないと思っています。

現場で働いている医療者が何とか無くそうという方向性に持っていきたいのもわかりますが、それによって様々な業務に影響を及ぼすのが目に見えています。

残業は大幅に増えるだろうし、医療者のストレスも増大しかしません。

そのうえ患者さん側のリスクも増えると考えたら、無くせないって思いますがね。

たぶんこの問題は永遠に終わらないお話だと思います。

もしかしたら身体拘束なしでいける施設もあるとは思いますが、それをすべての施設で行いなさいっていう方向は間違っていると思います。

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